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特集・プロジェクト

挑戦を形にする
  新潟市の土木チーム

挑戦を形にする
  新潟市の土木チーム

老朽化する約4,000の橋と向き合う仕事

新潟市が管理する橋の数は、約4,000。
その多くは高度経済成長期に整備されたもので、老朽化が進んでいます。

2013年の道路法改正により、すべての橋で定期点検が義務化されました。
市民の安全を守るために欠かせない法定点検。しかし、点検にかかる費用は膨大で、このままでは本当に必要な修繕に十分な予算を回せなくなるおそれがありました。

限られた予算の中で、どうすれば市民の安全を守り続けられるのか?
歴代の担当者たちは、この課題に真正面から向き合い、解決策を模索してきました。

専門も経験も異なる3人のチーム

専門も経験も異なる3人のチーム

その挑戦を形にしたのが、土木総務課の3人の職員です。

CADを活用した資料作成と現場経験に長けた係長。
民間企業から中途採用で入庁し、専門知識を持ち込んだ職員。
そして、入庁2年目の柔軟な発想を持つ若手職員。

立場も年齢も、得意分野も異なる3人。
だからこそ、それぞれの視点を持ち寄ることで、これまでにない発想が生まれました。

「現場の事業者は、どこに工夫や改善の余地を感じているのだろうか?」
「従来の点検とあわせて、橋を長持ちさせる方法はないだろうか?」
「点検の進め方そのものを、見直せないだろうか?」

こうした問いが、すべての出発点でした。

新たな点検システムと試行錯誤の日々

新たな点検システムと試行錯誤の日々

歴代の担当者たちは、橋の維持管理に関する危機感を業界の有識者にも共有していました。

その中で、長岡工業高等専門学校の教授が、タブレット端末を使い、現場で橋を確認しながら、部材の損傷度合いなど25項目の質問に答え、入力していく簡易点検システムを開発していることが分かり、2016年度から3年間、新潟市で試行的に導入しました。
橋の基本的な知識があれば、誰でも点検が可能で、入力データや写真をもとに点検調書も作成できます。

一方で、
「専門外の建設業者でも安全に点検できるのか?」
「品質は本当に担保できるのか?」
といった不安もありました。

検証と試行錯誤を重ね、2019年度から全体の7割の小規模な橋を対象に本格運用を開始。
さらに、点検に不慣れな事業者の不安を解消するため、講習会や現場研修を何度も開催し、知識と技術力の底上げに取り組み続けました。

数字が示した確かな成果

数字が示した確かな成果

その成果は、数字にも明確に表れています。

小規模橋梁の点検費用は、総額で 約4億円 → 約4,000万円 へ。
コストはおよそ10分の1に削減されました。

また、点検業務を一部の専門家に限らず、市内の多くの建設業者が担える体制が整ったことで、地域の橋に精通した担い手が増加し、災害時の対応力強化にもつながりました。

インフラを守る役割を、特定の人に頼るのではなく、次世代へ引き継いでいく土台が築かれたのです。

新潟で生まれた挑戦を全国へ

新潟で生まれた挑戦を全国へ

2025年9月。
この取組が評価され、「西川和廣賞(予防保全部門)」を受賞しました。
西川和廣賞は、一般財団法人高専インフラメンテナンス人材育成推進機構が、地元のインフラを守る「名もなき貢献者」を顕彰する賞です。
新潟市のタブレット点検システムによるコスト縮減と担い手確保の取組が高く評価されたのです。

受賞をきっかけに、全国から講演依頼が相次ぐようになりました。
学会にとどまらず、新技術の見本市や大学での留学生向け講義など、発表の場は広がっています。

「この技術を、新潟市だけのものにしてはいけない」
「誰もが安心して暮らせるまちを、将来に残したい」

そんな思いから、彼らは今も各地を飛び回ります。
講演後の意見交換や質疑応答を通じて、自分たちの知識も深まると、前向きに挑戦を続けています。

物語はこれからも続いていく

インフラの老朽化は今後も進み、人口減少とあわせて、橋の廃止や機能の集約など新たな判断が求められる時代に入っています。

だからこそ、地域の声に耳を傾けながら、橋のこれからを一緒に考えていくことが重要です。
新潟市では、新技術を積極的に取り入れ、前例にとらわれず挑戦できる環境のもと、インフラをできるだけ長く、そしてできるだけ多く次世代へ残していきます。

MESSAGE

新潟市職員を目指すあなたへ

「入庁当初は、自分の知識や能力でやっていけるのか、不安もありました」そう振り返る若手職員。

心配はいりません。
新潟市には、初年度から先輩職員がマンツーマンで指導する教育制度があります。
職員同士が助け合う風土もあり、安心して仕事に向き合える環境です。

土木技師の仕事は、橋や道路だけではなく、都市計画、下水道、農業土木など、そのフィールドは多岐にわたります。

「大学で学んだ専門がすぐに生かせる部署でなくても、いつか必ず活躍の場が来る。その時は、後輩にしっかり伝えていきたい」

こうしたチームワークが、私たちの暮らしの「日常の安心」と「未来」を支えています。

新潟市は、あなたの挑戦を歓迎します。
これまで受け継がれてきた想いに、あなたの新しい視点を加えて、次の一歩を一緒に踏み出してみませんか。

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